2週間前、私は1年前に一度しか入れなかった着ぐるみの仕事のオファーを受けた。
1年前に、6日分も着ぐるみの求人が出ていたというのに、その日に限って郵便局の面接に行っており、求人の通知に綺麗に華麗に見逃し三振してしまった。
絶望の淵に陥っていたのだが、その日の深夜に初日の分だけドタキャンが発生。
私はその枠に滑り込み、たった一度だけ入る事が出来た。
その初日の奴が、あまりに見た事の無い動きだった!!と社内で話題になっていたらしく、
こうして1年が経った後、再びオファーを貰う事が出来たのであった。
・・・とまぁ、改めて見ても本当にシンデレラストーリーだわね。
それで今年の出番は6回じゃなくて、2回だけでしたが。
あれから2週間、私は再びその運命的な着ぐるみの仕事に向かうのでした。
今日はバレンタイン。

私は誰からにもチョコを貰う事無く、一日中着ぐるみを着てひたすらチョコを売り捌いて行きます。
暑くて、重くて、狭くて、苦しい、着ぐるみの中で。
でもね、私はそれで良いんですよ。
別にどーせ誰からにもチョコを貰う事なんて無いんですから。
そんなんだったら全然、私のこの身を犠牲にしてでも売り捌きに行きますよ。

毎年毎年、日本は義理チョコをやめよう。って言っているぐらいですから。
いちいち社交辞令としてブラックサ●ダーとかを貰われると、
1ヶ月後のホワイトデーで何かしらセンスの良いお返しをしなければならないと、1ヶ月間プレッシャーを掛けられるのですから。
私は社交辞令とか、そういったテンプレ的な行いが煩わしく感じる人間ですからね。
まぁ、そんな考えなんだからいつまで経ってもモテねぇんだよ。
ま、永遠に独身貴族で居る気満々なんですがね。
って言うと、親に孫の顔を見せない親不孝者だと思われるので言いませんが。(言ってる)
さて、現場に到着して控え室に入り、早速最初の出番に向けて着替え始めます。
そこの催事場の従業員である男性の方と女性の方1名ずつに見守られながら着替えます。
ちなみに、前回の出番の時とは違う方ですね。
なので、着ぐるみに着替える様子を見るのが初めてなので、私がどんどんと沢山の衣装を着込んで行くのを見ながら、ずっと驚愕していましたね。
「こんなに着込んで出続けているんですか?? 大丈夫ですか?!」と、ずっと驚かれていましたわ。

そりゃあもう、今回の着ぐるみに関しては、本当にもう昔ながらのガッツリした着ぐるみですからね。大きくて重たい頭を被って、分厚い胴体や衣装を何重に着込んで、ゴワゴワした長い手袋や長い靴を身に着けて、使い古された付属の面下も着けますからね。
着ぐるみの仕事が大好きであるこの私からしても、この着ぐるみは最高難易度の激おにクラスと言っても過言ではありませんよ。
ちなみに、控え室のお向かいでは、どっかしらの会社の新卒たちの研修会が行われていましたね。毎回出て来る度に注目を浴びられますよ。
ただ、休憩中に控え室から出ると、アイツがあの中に居た人じゃね??とモロバレルのですが。「中身男じゃねぇかよ!!」と言われちゃいますからね。
別にそんな直接的に言われた事は無いけども、間接的に言われた事はあるからね。
にしても偉いわね。ちゃんと新卒で就職していて。
わいは一体何処で道を踏み外してしまったのかしら。
まぁ、こうなる事は強ち予想出来ていたけどもね。高校生ぐらいの頃から。
正社員に就職していないからこそ、こうやって自分の本当に好きな仕事に在り付けているとも言えますがね。
そんなんはええとして。
こうして、この日も30分×3ステージ分の写真撮影会を行いました。
30分とは言っても、毎回帰り際に調子に乗って周りの人たちを必死に呼び込みまくるので、毎度毎度45分程に大幅に延びてしまいますが。それは単純に自業自得なだけ。
まぁ、私がまだ帰りたくないからやっているだけですからね。
それで、先日の建国記念の日に、私はとある小説を作りました。
誰からにもチョコを貰う事無く、一日中暑くて、重くて、狭くて、苦しい着ぐるみを着てひたすらチョコを売り捌く一人の青年の物語です。
GPTのジュピタ君に2パターン書いて貰って、それらを校閲して順番をテレコにしたりしながら、自分の体験談も交えつつ完成させました。


挿し絵もジュピタ君に描いて貰いましたが、これが本当にもう性癖にブッ刺さり過ぎて。
それでこの小説を書いた事によって、当日のイメージをより深く固める事が出来ました。
前回の2週間前の出番の時は、言うても1年ぶりの舞台なので、ポーズの多彩さに欠けてしまい、どうしてもワンパターンな感じになってしまいました。

ですが、今回はケッコー様々な動きを付ける事が出来ましたね。
私のお得意の片足上げて飛び跳ねている感じの姿勢で保つやつとか。
そういうのを着ぐるみさんの撮影会とかでやりたいのですが、どうしても趣味での着ぐるみとなると恥ずかしくて出来ないんですよねぇ...。フツー逆だろ。
この小説が、着実に現実の物となる未来日記と化していましたよ。

ちなみに、個人的にようやったなと思ったのは、二人のギャルに囲まれて写真を撮る時に「ピースして欲しい」と言われた際に、一瞬で閃いて両手で裏ピースして現場が湧いた事ですかね。※ジュピタ君にお願いしても裏ピースがどうしても表現出来なかったわ。
まぁ、正直言って本当に申し訳ないのですが、私はギャルよりも清楚派なのですが、
2年前になまらめんこいギャル観ていた事で得た知識ですわ。
めんこい道産子ギャル、なまらめんこい道産子ギャル♫
たまたまAbema起動したら第一話やってて、ちょっと観てたらこのOPにドハマりしたんですよねぇ。北海道は中学高校の修学旅行でしか行けていないけども。
もうあれから2年が経ったと言うのか...。
JR北海道の秘境駅が消えて行く前に色々と降りてみたいのですがね。
それで、北海道の雪景色の中で、ギャルの格好でこの曲踊りたい。
あと、今回は前回と違って、一人の男性の方が一緒に写真撮影をする人も多かったですね。ちょっとキャラクター的に、女性ばかりが並んでいましたからね。
写真撮影とかで、たまに抱き合ったりする方も居るのですが、正直中身がこんな目付きの悪い25歳成人男性が入っている事が申し訳なく感じるのですよ。
職権濫用して、ここぞとばかりに女性と抱き付いてやがる!!と思われるのが悔しくて堪らないので、私は出来る限り両腕を添える感じで抱き付くフリをしています。
勿論、ガッツリ来た人にはご期待に応えてこちらもガッツリ行きますが。

なので、圧倒的に女性が多い中、勇気を出して一人で並んだ男性の方に対しては、思いっ切り肩を組んであげて、なんかすっごい仲良い感じの構図にしてあげます。
一応、男同士(?)だから後から何言われても文句ないでしょうからね。

まぁ、着ぐるみに中身なんて居ないんですけどもね!!!
25歳の成人男性なんて、この場には何処にもおらんぜよ。
私は老若男女誰にでも、平等院鳳凰堂にWELCOMEですからね??
そして何よりも大きかったのは、今回は曇り止めスプレーを用意して貰えた事ですね。

ほんと、前回はこんな感じにレンズが曇って、終始白内障状態で動いていましたからね。
これはAIに作って貰った超リアルな画像ですけども。
被り物の内部は地獄の蒸し風呂状態ですからね。そりゃあ結露は出来まくりですよ。
今回はかなり高性能な曇り止めを用意して貰いました。
事前に塗っておくと、かなり結露は抑えられましたね。なので今回は非常にアクロバティックに動けました。それでも僅かに結露は出来掛けましたがね。
そうして、ラストの3ステージ目の終わり際。
「そろそろお家に帰りますね〜」とアテンドの人に言われた時は、私はもういじけて、隅っこの方に行って帰るのを嫌がっていましたよ。
なんとかちゃんと、帰るのを嫌がっている事が周りの人たちに伝わりましたが。
そしたら、また写真撮影の列が出来始めて、念願の(?)延長戦に突入しましたわ!!
いや、正直かなり過酷な状態なので、着ぐるみの中ではゼェゼェ言っていたのですが。
相変わらずの天ノ弱ね。
まぁやっぱり、一人でも多くの人に想い出を残して貰いたいですからね。

ですが、SASUGANIあまりにも列が続いて完全にキリが無い状態となったので、アテンドの方が強制的に列を断ち切ってくれましたわ。正直助かりましたね。
そうして、従業員口まで戻って行きますが、最後帰る前にお辞儀をするのですが、私は目一杯手を振りまくってアピールしていました。これが本当に最後の瞬間ですからね。
そうすると、従業員口の目の前で最後の最後に駆け込みで二組と写真を撮りましたね。
本当に最後まで抜かりないわね。最後までチョコたっぷり。やっぱこれだねー。

こんな感じで、毎回毎回出番の時間を大幅に延ばして帰って来ました。
着ぐるみから解放された時は、本当にもう地獄からの生還状態ですよ。
アテンドの従業員の方々も、毎回毎回ドン引きながらも讃えてくれましたよ。
「あんな長い時間この状態であんだけ動き続けるだなんて、私には出来ないですわ!!」
って、毎回本当に驚いた様子でしたよ。
まぁ、来る人来る人に対して、思いっ切り手を振ってポーズ取って見送ってを繰り返して、引っ切り無しに動き続けていますからね。

脱いだ直後の全身のインナー・スパッツなんて、もうズブ濡れ過ぎて別の色の服になっていますからね。脱いだ直後は一気に汗が冷えてめちゃんこ寒いんですよ。
それで、休憩が終わってまたズブ濡れの着ぐるみに身を包む時は、それはそれは本当にもう地獄絵図ですよ。ビチャビチャ過ぎて気持ち悪いったらありゃしない。
面下のマスクなんて、顔中にビチャアァァと張り付いてま〜〜〜〜〜ぁ気持ち悪い事!!
まぁ、それが着ぐるみの仕事の宿命なんですがね。

イメージ図でお送りしますが、胴体の内側に着込む部分も、こんな感じにエゲツないぐらいにクッキリと汗染みの境目が目視出来ましたわ。
アテンドの従業員の方に見せて驚愕されましたわね。
本当に過酷さを物語っていますよ。
それでも私は、着ぐるみを着て動き続けるという過酷な環境を、不思議とそこまで苦に思わないんですのよねぇ。
何なら、エアー式で膨らますような生ぬるいタイプの着ぐるみよりも、こういった昔ながらのゴリッゴリの被り物タイプの着ぐるみの方が士気が高まるのですよ。
これは本当に不思議な事です。
でも、私はサウナとかはあまり好きでは無いんですのよねぇ。

着ぐるみで整うとか何とか言っている割には、サウナ嫌いなんかい!!
普段の状態でクッソ暑い・クッソ寒いのはフツーに大嫌いなんですよ。
でも、コスプレした状態や着ぐるみを着た状態だと、考え方が180°変わって好きになるんですよねぇ。
それは恐らく、限りなく自分という姿から変わっているからなのかもしれません。
コスプレした状態や、着ぐるみを着た状態だと、限りなく生身の自分の要素を削ぎ落としているので、もはやそれは自分では無いのですよ。
なので、自分じゃないからこの身がどうなりようが関係無い!!と感じるのでしょう。
それで、着ぐるみを脱いだ直後はフツーに不快ですからね。
あと、生身の状態だと接客業が最も苦手なのですが、着ぐるみを着ていると思いっ切り目一杯愛想を振りまく事が出来るのですよ。
毎回毎回引っ切り無しに、見知らぬ人たちを相手にしたくない!!と考えているのに、
写真撮影会なんてこんなの思いっ切り接客業ですよ??
それなのに出来ていると言うのも、元の自分の要素から完全に変わっているので自信が付き、全てをリセットした状態で出来るので思いっ切り動けるのでしょう。
まぁ、この事に関してもまた、今年の子供の日に出す年一の着ぐるみの仕事を語る記事で詳しく言及しようと思いますが。
と言うかあれですよ、数年前に月曜から夜ふかしに出て来た、どっかの動物園での亀の子レースの実況の方みたいな。
普段はシャイな感じの方なのに、亀の子レースの舞台に立つと一気に豹変して名実況を繰り広げる事が出来る方ですよ。
当時初めて見た時は、その豹変ぶりが本当に信じられなかったのですが、これは私が着ぐるみを着た時にも割と同じ感じと言えますよ。
着ぐるみを着ると、思いっ切り接客が出来るようになる。
普段から出している人を寄せ付けないオーラを消し去って、目一杯はっちゃけて動く事が出来る。強ち合っていますよほんと。
こうしてこの日の出番も全て終わりました。
最後に「もし良ければもう1ステージ出ても大丈夫ですよ?」と従業員に言いましたが、若干考え込んだ後、SASUGANIもう大丈夫ですよと言われましたね。
まぁ、こっからもう客足も減って行きますし。
とは言っても、若干賭けで言った所もありますが。
もしそれで本当にその気になって、もう1ステージ!!ってなったらどうしようかしら?? と思っていましたからね。プチギャンブルですわぁ!!
それで従業員の方に、他の場所でも行けるのですか?? と聞かれたので、全然何処にでも行きますよ!!と答えましたわ。
着ぐるみの仕事だったら姫路でも京都でも長浜でも敦賀でも行きましたからね。
そしたら、そこの関西支部が牛耳っているエリアが思いの外広大で。
ワンチャン他にも出番にお呼ばれされる可能性も無きにしもアライズ。
私はずっと、この着ぐるみは本当に難易度が高くて過酷な環境なので、一度も入った事の無い従業員の小柄な女性とかに任すのは厳しいですよ!! これは慣れている人が入った方がかなりマシだと思いますよ!! と必死にアピールしていましたね。
いやほんと、リアルマジで。
従業員に聞いた所によると、専属で入って貰っている女性の方が一度倒れた事があったそうで、倒れるのを支え込んだ方が若干腰をやっちゃう事があったそうな。
それは確かに大変ですよ。この着ぐるみで真夏の野外とかで出番があったら、果たしてどうなる事やら。この私ですらゾッとしますもの。
ちなみに、アテンドの女性従業員の方は、関東支部から応援に来ていた方だそうで、
関東支部だと体格的にその人が着ぐるみに入る役になる第一候補になっていたそうな。
なのでこの日も「着替え方をちゃんと見といた方が良いよ?」と他の従業員に終始言われていましたね。
その方に「何だったら東京に呼びたいぐらいです!!」とまで言われましたが。
いやいや、ギャラよりも交通費の方が上回るでしょそれ。
まぁ、呼ばれたらゼッテー行くに決まってんだけどもね。
こうして、家に帰って来ましたが、特に親戚や祖母からの義理🍫も無かったとさ。
アラシター。
To Be Continued

と思っていましたが、次の日に祖母からチョコを貰っていたそうでしたわ。
キャンディー以外のお菓子なんて食うの、いつぞやぶりかのぉ。
いや、きのたけマックフルーリー®︎ぶりか。
そういや、チョコを貰った事が無いと言いつつも、高校2年生の時に、「朝休みの時間帯にウチの教室で会議があるので入らないで待っていて欲しい」と言われていたので、私はギリチョンに学校に着いて待っていました。
廊下を見ると、男子生徒しか待っていませんでした。これはどう言う事かしら??
それで終わったらしく教室に入ってみると、そこには黒板にデカデカと『ハッピーバレンタイン』の文字と共に、男子生徒の机の上にプレゼントの小袋が置いてありました。
何やらクラスの女子全員がサプライズ企画を企てていたそうで、会議なんてものはでっち上げだったそうです。
まぁ、冷静に考えたら、何でウチの教室だけ会議なんか入るんだよ!!と思いますが。
あの頃はまだ純粋な清廉潔白な無垢な人間でしたからね。思いっ切り信じちゃったわ。
それで、私の小袋の中身を開けてみると、当時放送開始したばかりのHUGプリのグミが入っていましたわ。
それを見て私は驚愕しました。ゑゑっ??嬉しくなかったのかってぇ???
当時のリア垢のTwitterで「わいはプリキュアを観ていそうな人間だと思われていたのか...」と嘆いていました。そう思われていたのがショックだったのですよ。
いや、仲間内なら全然良いけど、何の面識も無い女子生徒にもそう思われていたのかと思うと哀しくてね。
と思っていると、リア垢のTwitterに「いやいやwwイメージとかじゃなくて、中身はくじ引きで決めていたんだって!!」とクラスメイトの女子からリプが来ましたわ。
それは良かった安心した。
ちなみに当時の親友は、恐竜の卵みたいなのを貰っていましたね。
ほんま、何でわいだけよりにもよってプリキュアやねん!!
別に興味関心はあったから全然ええけども。
さて出番が終わったその後、そこの会社の担当者の方に、「これから先、他にも周年祭の企画があるので出番が出来たら是非ともオファーしたいです!!!」と言われちゃいましたわ!!
なんだったら、担当者の方の連絡先を交換出来ましたもの。
ヤバ、もしワンチャンここの専属アクターになったらとんでも無い偉業だぞおい。
てか、連絡先交換するって合コンじゃないんだから。
私には永遠にそんな機会なんてありませんものね。
2026年、今年もとんでも無い何かの前触れに過ぎないのかもしれない・・・