着ぐるみが唯一やりたい仕事🎈【一度失った着ぐるみアクターへの執念】

働いたら負け精神のこの私でも、やりたいと思える仕事が一つだけある。

それが、着ぐるみアクター。

画像引用:GAHAG

時は遡り、中学生の頃。

一週間どっかの事業所で職業体験をするという行事があり、

そこで私は初めて着ぐるみに入れるチャンスが来たのである。

だが、何やかんやあってその機会を失った。

 

私はそれが本当にもう悔しくって情けなくって、

それから延々と着ぐるみに対して深い執念を抱くようになったのである。

 

幼い頃に、キャラクターショーとか一度も観に行った事は無いのだが、

小学生の頃からコスプレに憧れており、その延長線上で、完全に二次元のキャラクターになれる着ぐるみに対しても憧れを抱くようになった。

着ぐるみの構造上どうしても、動物のであれば体のバランスがおかしかったり、ヒーロー系ならまだしも、アニメのキャラとかは表情が変わらないので不気味に感じるだの、そういう風には言われていたけども。

 

だが、着ぐるみに入れるチャンスを失ってから8年後のある日の事、

突如チャンスは巡って来たのである。

 

タ●ミーで地元のホテルの着ぐるみバイトの求人が出ていたのである。

私はそれに申し込んだ。

そして、不思議な事に、働いたら負け精神のこの私に、生まれて初めて働きたいという感情が芽生えたのである。私はとても驚いた。

バイト当日、実際に入ってみた。

着ぐるみ自体は、そのホテルのオリジナルキャラクターのものであり、大きめのゆるキャラ的なものなので、広々とした空間があるタイプのものである。なので、想像しやすい被り物タイプとかではない。

夏の日だったが、ホテルの屋内である為、直射日光の下とかではなかった。それでも、着ぐるみの構造上蒸し風呂のような空間になる為、それなりに汗をかいた。

ひたすら小刻みに動いたり、両手をパタパタさせた。着ぐるみの中なので、私の姿は見られない。なので、対人スキルとか関係無しに接する事が出来る。私は接客業が一番苦手であるが、着ぐるみという媒体を介せば接客が出来ると分かった。

入っている間は、着ぐるみに入れた嬉しさからか終始ドキドキしていた。2時間半あったのだが、全然時間的苦痛は感じなかった。こんな事普通じゃありえない。

そのキャラクターの脚に当たる黄色いブーツも、休憩中ずっと履いていた。あれはちょっと不自然過ぎたと反省しているが。

こうして、着ぐるみに執念を抱いてから8年。

初めて着ぐるみバイトをやって、遂に天職を見つけたのである。

 

着ぐるみバイトは、一般的には結構重労働である。

可愛い見た目をしているが、状況によってはかなり過酷である。

何と言ってもとにかく暑い。

過去にも某遊園地で、着ぐるみの中の人が熱中症になって亡くなった方が居ます。

着ぐるみには様々なタイプがあり、ファンで膨らませるタイプの着ぐるみもあります。そのタイプは、一応ファンが動いて風を感じるので、着ぐるみの中の空気が動いて多少涼しく感じます。また、風船のように膨らませるので、空間も広々としておりマシではあります。中には、ファンを動かす装置を担ぐタイプもあるので、その場合は少し肩や腰などに負担は掛かりますが。

kigurumi.co.jp

こちらの着ぐるみ制作会社のサイトが分かりやすいです。

ですが、想像しやすい被り物タイプの物だと、ファンなんて物はありません。ゴワゴワした胴体を着込んで、靴も履いて手袋も付けて、そして大きな頭を被る。熱の逃げ場は一切ありませんので、ずっと動いていると灼熱地獄になります。可愛い見た目をしているので、抱きつく方も居ますが、着ぐるみの中は汗だくなので、うわっ!!ビッシャビシャじゃん!!って思われそうでビビります。

ですが、私は着ぐるみで暑くなる方が、逆に士気が上がると言いますか、気合が入るのです。サウナに入って気分が上がるのと同じ感じです。これは何とも不思議な特殊能力です。

小中学生の頃、コミケを初めて知った時に、真夏に重装備のコスプレをしている人や、真冬に露出の高いコスプレをしている人が居る事を知ります。その人たちは全然平気そうな出で立ちをしています。確かに、日常系のアニメはまだしも、異世界ものとかは季節とかあまり関係無く、衣装は基本的にずっと一緒ですから、夏とか冬とか関係無いんです。それを知ってから、そういう人たちになれるように、夏に暑そうなコスプレして冬に寒そうなコスプレをするチャレンジをするようになりました。そうしている内に、コスプレならば、夏は暑くて冬は寒い格好をするのが好きになってました。その延長線上で、着ぐるみも同じように、暑くなる方が気分が上がりました。なので、被り物じゃなくてファンで膨らますタイプのものだと、そんな生温いものでは満足出来ないなぁと、訳分かんない状態になります。不思議ですね。

とは言いつつも、普通の状態で暑かったり寒かったりするのはシンプルに不快なので、あくまでコスプレしている時や、着ぐるみを着ている時だけに限ります。

私はそういう身体なので、真夏の炎天下の中とかでも全然やれるのですが、不思議な事に求人が見つからないのですよね。こんな逸材が居るというのに。

 

また、視界が狭いので動くのが大変です。目や口の僅かな隙間しか開いていない事が多いので、真ん中とかはほぼ見えません。ですが私はそんなの気にせずズカズカと歩いて行きます。そうなる為には勿論慣れも必要ですが、事前に導線をしっかりと確認する事も大切です。着ぐるみに入る前に、会場となる場所の空間を把握しておきましょう。

 

あとは身長ですね。やはり高身長だと可愛さが減ってしまう為、身長が低い方が有利になります。高身長の人でも、例えばリアルな恐竜とか、そういうイカつい着ぐるみであれば適正になります。

 

着ぐるみの仕事についてはこれらがポイントですね。

 

体力的な事を考えれば男性向きな気もするし、可愛らしい仕草や身長など、技術面や物理的な面で言えば女性向きな気もするし、どちら向きでも言えますね。

 

話を戻して、人生初の着ぐるみバイトから約半年後、今度はクリスマスシーズンに4回着ぐるみの仕事が出来ました。あの年は御神籤で末吉を引いていたので、12月に何かが起こる!!と思っていましたが、この事だったのですね。

色々やりましたよ。B●●K・●FFで高橋名人さんの隣であの電球みたいな(?)形のキャラの着ぐるみにずっと入りましたし、どっかの大きな公園でテディベアの着ぐるみに入りましたし、どっかの施設でサンタさんの隣で犬になって(トナカイちゃうんかい)ひたすら写真撮影しましたし。

最後の犬は、私が思い描くようなTHE被り物って感じだったので、冬の屋内でしたが本当に灼熱地獄でした。ですけど物凄く良かったですね。

 

そうして完全に着ぐるみアクターが天職だと確信した私は、社会人になる直前に、どっかの広報担当の仕事をツモる事が出来ました。そこで1年間、4,50回程着ぐるみに入って仕事をしました。出張で休日に着ぐるみの仕事があったり、夕方からそのまま着ぐるみの仕事があったりもしましたが、出張が物凄く楽しく感じました。他の人はしんどそうなのに、私だけ楽しんでいて少し申し訳無かったです。その時の着ぐるみも、色んな要素が詰まっているタイプの物だったので、それも良かったですね。

 

それでも私はどうしても、遊園地とかイ●ンモールとか、住宅展示場とかでやっているキャラクターショーの仕事は出来ないものかと常に調べていました。何度かその事業所を突き止めて、アポを取った事はありますが、何故か音信不通になったり、応募者が多過ぎて採用されなかったり、事業主が単純にヤベェ奴だったりと、色々とありなかなか上手く行きませんでした。

ですが、出来るチャンスもありました。実際に練習に参加出来るフェイズまで行った所もあります。SNSで話題になる暴れまくるキャラとかも入った事もあります。ですが、それらは体育会系が多いと言いますか、芸能系の仕事になるので劇団の一員になります。そういう場では上下関係が厳しかったり指導がスパルタだったりします。上下関係は勿論大事だと思いますが、そこまで厳しくするものなのかねと思いますし、スパルタ教育も、貴方の事を想って愛のある指導だからとか言いますけども、そんなの後付けで何とでも言えますし、厳しい指導をされたら普通は人間誰しも不快に感じます。私が前の仕事を辞めた原因も、THE体育会系の上司が居て無理になったからですし。

そういうのもあって、結局キャラクターショーの仕事に有り付ける所までは行ったのですが、結局どこにも所属せず。

こういうのは楽しくやるもんですよ。

そんなガチガチにするもんじゃないんですよ。私には。

 

そういう事もあり、着ぐるみの仕事を探しているものの、割と同類は日本に多く存在していて、着ぐるみの単発バイトの求人が出ても、応募者多数になるようです。

こうなったら、自分でやるしかないか。

To Be Continued

勝手にやったらSNSに晒されて炎上するので止めましょうね。