今からでもあの悪夢はもう二度と思い出したくも無い。
だが、これは自分への戒めも兼ねて、書き残しておこうと思う。
また同じ過ちを繰り返さない為にも。
18きっぷの旅【第8シーズン・第5夜】
2019年の夏に始まった18きっぷの旅。
19夏・20春・21春・21夏・23冬・23春・23夏と続き、24夏が第8シーズンとなります。
このブログを始めてから最初のシーズンとなるので、今までの分もいつか記事にして振り返りたいのですが、まぁそれは追々やるとして。
最初の頃は、秘境駅に行く為に18きっぷを使っていたのですが、
段々行ける所は行き着いてしまい、今シーズンは沼津への行き帰りやら、名古屋への行き帰りやら、東尋坊への行き帰りなど、遠くのイベントに安く行き来する為の手段として使っていました。まぁ、お金を遣いたく無い時期はそうなるでしょう。
ただ、一回ぐらいは秘境駅の旅に出ておきたいな〜と思い、一年前から気になっていたきのくに線の秘境駅に行こうかなと思いました。
23年夏に行こうと思いましたが、18きっぷの5回制限に足りなくて行けず、
24年冬も24年春も都合が合わなくて行けず。
こうして一年越しにようやく向かう事が出来ました。
2024年9月4日(水)
私はきのくに線リベンジに向かいました。
奇しくもこの日から丁度5年前に、18きっぷで8時間半掛けて沼津に初上陸しました。
曜日も一緒です。あれから5年も経ったのか。
ちなみに、きのくに線リベンジと言うのはこれの事です。
今回は串本駅まで行きませんが。
本当は9月3日に行こうとしていましたが、時刻表を確認していると、
乗る予定だった16時56分発の白浜〜御坊のくろしお号が無い!!
よく見るとそれは土日祝のみの便だった。
それは困ったと思っていたら、水曜日だと16時24分発のエクスプレス銀河がある!!
しかも何故か少し席が空いているではないか!!
じゃあ銀河ワープがしたいから水曜日に行こう!!と1日ズラした訳です。
まさか席が空いているとは。平日だからか??
ちなみに、白浜〜御坊区間を特急ワープしないと、紀伊田辺駅と御坊駅で30分ずつ足止めを喰らいます。紀伊田辺駅では行きしなに既に50分の足止めを喰らっているので、正直もうこれ以上居ても行く所がありません。なので特急ワープをする事で、白浜で少し降りる事が出来ます。ただ、1時間弱しか無いので、とれとれ市場にすらギリ着けないので、結局どこにも行けませんが。
だが、この銀河ワープを狙った事が、後に生死を左右する程の大きな選択だったという事を、この時の私には知る由も無い。
こうして、深夜4時前に家を出て、JRの駅まで1時間以上歩いて始発に乗って大阪に向かいました。そして久しぶりの紀州路快速です。
私の気に入っている山中渓駅。またいつかここの記事も書きます。
紀州路快速ね〜。大阪駅からめっちゃスッ飛ばしてくれるけども、大阪〜和歌山90分間は地味にしんどいのよね。
一人席があるから、そこに座れたら最高なんだけど、車内では一人席を巡る壮絶な椅子取りゲームが繰り広げられていて、一人席が空いた瞬間、二人席の通路側に座っていた人が瞬時に座り込むのよね。
なので確実に座りたいなら、一人席の真横でマンマークしてないといけないのですが、私にはそんなガメつい事してまで座るなんて醜い事をしたくないので、初めからトイレの前のスペースで突っ立っていましたね。
天王寺駅で次の紀州路快速に乗り換えようかと思いましたが、そのまま海南駅まで行きました。和歌山駅に近付くとやはり混みます。ただ、和歌山駅を過ぎても乗客が入れ替わるだけで空きません。結局、海南駅の一つ手前の駅でみんな降りましたよ。
4年半前も、とりあえず海南駅まで乗っていたな。
特に降りる訳でも無いので、何があるのかは分かりませんが。
特急パンダくろしお号、いつの間にあんなラッピング車両があったんですね。
そして、海南駅から一つ次ですぐ降りました。
冷水浦駅(しみずうら)です。
この次の便で御坊駅まで行けば何方道行けるので、折角ならと思い、その間にある駅に一瞬降りてみようと思いました。
ここも衛星画像を見た限り、かなり秘境感がありました。
駅前には色んな工場があります。
ちょっとした休憩スペースもあります。ただ、かなり草が生い茂っていますけども。
こうして御坊駅で乗り継ぎ、紀伊田辺駅まで来ました。
ここで50分間の強制足止めです。
お急ぎの方は5分後に出る特急くろしお号に乗ってください。
紀伊田辺駅構内。私は辰年なので撮っておきます。
4年半前は、紀伊田辺駅の山側の方に行って、出雲大社という看板が見えたのでそっちに行っていました。今回は海側の方をフラつきます。
何やら気になる店が。
50〜100円という値札にまんまと釣られました。
親指サイズの小さなコップがありました。
これも50円か〜と思ってたら400円ぐらいだったので買いませんでした。
だって風邪シロップぐらいの量しか飲めないんだもん。
でも今思えば欲しかった希ガス。
シャレオツな空間があるハンバーガー屋さん。
奥に有名な某SF映画に出て来る小さなロボットがありましたね。
横の道を見たら大きな鳥居が見えました。
調べたら、とても難しい漢字でした。
めっちゃミクさんおるやん。
私もアクエリよりもポカリ派なんですよね。
理由は何となく。
こうしていよいよ最初の目的地である、見老津駅に向かいます。
ですが、この後に悪夢が起こります。
出発から8時間程掛けて、見老津駅に到着しました。
ちょっと小雨が降っていたので、すぐさま屋根の下に移動して写真を撮りました。
はい、まさにこの瞬間です。
突如、私の頭が熱っ!!ってなりました。
何だ??何か上から硫酸でも垂れて来たのか???(そんな訳無い)
と思い、上を見上げた瞬間。
屋根の隅の方に蜂の巣があり、沢山の蜂が飛び交っていました。
そうして、私の身に何が起きたのかがようやく分かりました。
ハチに刺された!!!!!
そう気付いた瞬間から頭に激痛が続きました。
激痛が走りながらも、人間って凄いですね。
ここまで来たので写真を撮っているんです。
後から見返してビックリしましたよ。
私はパニックになりました。
こんな誰も居ない秘境駅でどうやって助けを呼ぶのか。
てか、ハチに刺されて私の身は大丈夫なのか??
あと、苦労してここまで来て、ようやく旅が始まると思った瞬間で、この後の予定が全て台無しになる事と。
自分の命の方が大事なのに、そう言う事考えちゃうんですよね。
私は大発狂しながら、駅前のトイレの洗面所で延々と頭を洗い流していました。
こんなんでシにたくない!!ってずっと叫んでいたような気がします。
即座に父親に電話しました。ですが仕事中なので繋がりません。
父親の仕事場に電話しても外部からの電話を着拒してんのか繋がらない。
もうブチ切れていましたね。
ちなみに、今日夜明け前から和歌山県に行っている事は言っていませんでした。
見老津駅に着いてから言おうとしていました。それが仇となりました。
ようやく父親からLINEで返事が来ました。
和歌山の秘境駅に居る事を伝えていなかったので、近くの内科に行けと言われましたがそんな所は周りにあるはずもありません。
※実際のその時のスクショ
色々相談した結果、周参見の病院に搬送して貰う事になりました。
まさか24歳になりたての時に、こんな事になるだなんて。
でも、ここまで来たのだからと、私のジャーナリズム精神が冴え渡ったのか、頭に激痛が走りながらも、見老津駅の写真を撮りまくっていました。
おそらく、これから先も怖くてここに降りられないでしょうから。
頭は痛いのですが、一応体を動かしたり、歩いたりは出来ていました。
駅前は車道と海だけです。
なので本当に何も無い。
車は通ってはいるので、最悪SOSを呼び掛けていれば気付いて貰えるかもしれませんがそれで気付いて停まってくれる人なんて、まぁ居ないでしょう。人間というのは薄情な生き物なのでね。(圧倒的人間不信)
こうして『国保すさみ病院』で治療を受けて貰いました。
点滴なり筋注なり、3つブッ刺されましたよ。
注射が大嫌いなので怯えていましたが、ハチに刺された時と比べたら全然でした。
私は兎に角、シへの恐怖に怯えていました。
ですが、一応普通に歩けていますし、特に身体の具合も悪くならなかったので、この状態なら大丈夫だと言われました。
こうして、病院からのコミュニティーバスが出るまでの間、安静にしていました。
ただでさえ今はお金が無いのに、治療費滅茶苦茶掛かると思って嘆いていましたが、
治療費は何と1700円ちょい。何てお安いのかしら!!!
懸命な治療を施して貰えたお陰で、私は大事には至りませんでした。
本当に心から感謝を申し上げます。
病院の周りは、特に彷徨けそうな場所はありません。
病院から出ている、すさみ町コミュニティバスに乗って、周参見駅に向かいます。
一応、病院から駅まで歩いて30分程だったので、歩いても行けましたが、
その状態で行くのはどうなんだと医院の先生に言われたので素直に乗りました。
途中、部活帰りの小中学生が沢山乗って来ました。
まさか蜂にブッ刺された部外者が乗っているとは微塵にも思わないでしょう。
こうして周参見駅まで来ました。
駅のすぐそばには避難用の高台がありました。用意周到です。
ただ、苦労してここまで来たのに、今回何一つと出来ていません。
わざわざ遠くまで来て蜂に刺されに行ったなんて馬鹿馬鹿しいです。
なので、せめてもの思いで、エクスプレス銀河に乗って帰る事にしました。
勿論、18きっぷで乗れる訳ありませんから、特急料金がかなり嵩みます。
ですが、このままちんたら在来線で帰るのはしんどいです。
なので、命の方が大事だと思い、銀河で新大阪駅まで寝ながら帰る事にしました。
駅構内にあるカフェに色々とグッズが売っていました。
見老津駅のキーホルダーもあったので買いました。
正直、あの時の悪夢を思い出したく無い気もしますが。
そして、遂にやって来ました、エクスプレス銀河です!!
いや本当に凄い。この瑠璃紺の車両。マジで浪漫溢れている。
周参見駅では15分程停車するので、ゾロゾロと乗客が降りて来ました。
みんな銀河の座席を勝ち取った富裕層ばっかです。(富裕層とは限らないだろ)
そんな中、ハチに刺されて物凄くげんなりしている若僧が独り乗り込みます。
正直、楽しそうにしている周りの面々が憎い気もしたような。
そんなんはええとして。
いざ、車内に入ってみると、内装も華やかで煌びやかで凄い!!
観光列車であり、寝台列車であり、夜行列車でもあるので、車内も広々と様々な空間が施されています。
さて、いよいよ周参見駅を出発。
完全フリースペースの4号車は、エビとの触れ合い会が行われているので大混雑。
私は5号車の空間で佇む事にします。
そしてここ!!
見老津駅の後に降りる予定だった椿駅です。
ここは初めてきのくに線に乗った際に、一面茂みに囲まれた駅があって驚いたんです。
そこがこの椿駅。
駅から海辺の方に降りて行けば、ちょっとした温泉街が広がるそうです。
ここも降りたかった。でもここも蜂が多そう。なんてったって『椿』駅だもの。
次のサイコロきっぷ買えて、白浜出たらリベンジするか〜。
買えんやろうけども。
さて、白浜駅に到着しました。本来はここから乗るはずでした。
しかし、ここでは即座に発車するので降りられません。
果たして降りられる日はいつか来るのだろうか。
こうして紀伊田辺駅に到着。ここでは20分程停車します。
そんで、ここで私は切符を受け取ります。
どういう事かと言うと、今回緊急で周参見駅から銀河に乗る事になったのですが、
周参見駅には、みどりの券売機が無いとの事。
何で特急駅なのに券売機無ぇんだよ!!と思いましたが。
なので切符を受け取る事が出来ないんです。
ただ、切符を受け取らずに乗車すると、車内でその分の料金をもう一度払ってもらうと書いてありました。なのでしゃーないので、周参見〜紀伊田辺と紀伊田辺〜新大阪区間に分けて切符を予約しました。
ただ、車内で特に何も言われなかったので、紀伊田辺駅で降りる時に伝えたら、同じような人たちが窓口に何人か並んでいました。
私も並ぼうと思いましたが、みどりの券売機が空いていたので、先に切符を出しておこうと思いました。
すると、既に発車時刻を過ぎているのに、周参見〜紀伊田辺区間の切符も受け取れました。なので、それらの切符を見せたら受理してもらえました。
あれ??そんなんだったら初めから周参見〜新大阪で買っとけば安く済んだのに。
まぁ、本来は事前に切符を受け取ってから乗らなければならないのですから、そこは何も文句を言う権利は無いでしょう。
銀河ワープは2500円程の予定でしたが、7500円程になっちゃいましたね。
紀伊田辺駅で梅干しを貰いました。
ただ、生憎私は梅干しが苦手なんです。
父親にあげようと思いましたが、父親も梅干しが苦手だった事を忘れていました。
ただこの梅干し、最高級の逸品との事なので、相当凄い梅干しだと思います。
そしてここからは予約してあるクシェット席に行きます。
基本的に、どんな状況でも上に立つ人間でありたいので、元々は上側にしていたのですが、頭痛い中で上り下りするのはしんどいと思うので下側にしました。
下側だと、車窓が大きく見えやすいのと、カーテンが一応閉じれるので、隣が気になりません。
仰向けになって、頭をグイッと窓に向けた時のFPS視点。
サンライズにずっと憧れていた私。
寝っ転がりながら移動するのはどういう気持ちなのだろうと、ずっと思い描いていましたが、本当に凄い優越感です。何て素晴らしいものなのだろう。
まだ日没前なので、外の景色がハッキリと見えます。
サンライズとかだと、深夜で夜景すら見えないので、あまり景色が見えなさそうですよね。夜間に移動するのも浪漫ですが、日中に移動するのも良いですね。
そして、最後に降りようとしていた広川ビーチ駅。
まぁ、名前だけの理由で降りたいって思ったのですが。
一応、この日に降りようとしていた駅の写真は全て残しておけました。
またいつか絶対リベンジリベンジしてやる!!
蜂が居ない時期に。
こうして新大阪駅まで寝っ転がって安静にしていました。
これは早く着く為の特急ではなく観光列車なので、途中で謎の停車時間があったりと、周参見駅から新大阪駅までたっぷり4時間20分掛けて走っていました。
まぁ、折角なら長く乗っていたいですしね。
頭はまだ少し痛んでいましたが、新大阪駅で降りた時は少しマシになった気がします。
18きっぷ使っているのに、まさかこんなに銀河を乗り通すとは思ってもなかったので、特急代がかなり嵩みました。
ですが、ずっとサンライズで寝っ転がりながら列車で移動する事を夢見ていました。
そしてこのエクスプレス銀河は、サンライズみたいに寝台料金は掛かりませんし、瑞風みたいに馬鹿高くもありません。
なので、サンライズよりも安い金額で体験出来たと考えれば、かなり良いものだったかと思います。
何しろ、蜂にでも刺されない限り、ドケチな私が大阪まで銀河で帰ろう!!とは決意しない事でしょう。
だからって、刺して来た蜂に一切感謝はしていませんが。
こうして新大阪駅から18きっぷで帰りましたとさ。
To Be Continued
この記事を書いている時点で、蜂に刺されてから丸4日以上が経っています。
ですが、お陰様で何一つ身体に異常はありません。
蜂に刺されてしまった事は、私の三大黒歴史の一つにランクインする程の大失態となりました。ですが、一応都会住みの人間が、ここまで秘境駅に行きまくっていたら、いつかは起きてしまう事象だったかと思います。田舎の脅威を思い知りました。
兎に角、病院に搬送してくださった周参見の救急隊員の皆様、
懸命に治療をしてくださった国保すさみ病院の皆様、
病院から周参見駅まで送ってくださったすさみ町コミュニティバス、
そして、大阪まで寝させてくれたエクスプレス銀河、
本当に心からの感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
これから夏秋に秘境駅に行く際は、明るい色の服や帽子を一式揃えて臨むように心掛けます。